村田諒太 世界初挑戦~ボクシングフェス2017 SUPER 2DAYS(1日目)東京・有明コロシアム
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5月20日、村田諒太の世界初挑戦となるWBA世界ミドル級王座決定戦が東京・有明コロシアムで開催された。(観衆は11000人)
ロンドン五輪の金メダリスト 村田諒太(12戦12勝9KO)が、ついに初の世界戦「WBA世界ミドル級王座」へ挑む!
村田の対戦相手は暫定王者のアッサン・エンダム(35勝2敗21KO)
どちらかというと打たれ弱くダウンも多い選手だが、未だKO負けはゼロという頭脳派の黒人ボクサー。
日本人の五輪メダリストでボクシングの世界王者になった前例はなく、日本人のミドル級世界王座を獲得したのも22年前の竹原慎二ただ一人で、村田が勝てば歴史的な快挙となる・・・はずだった。
村田xエンダムの世界戦調印式
18日、都内のホテルでWBA世界ミドル級王座決定戦の調印式&記者会見が行われた。
村田とエンダムは笑顔で互いの健闘を称えあった。
調印式でのコメント
村田「プレッシャーはある程度あるが、エンダム選手を倒して勝つことだけを考えている」
エンダム「ここまで仕上がっているのはキャリアの中でも珍しい。これだけのメディアが集まったのも初めて。村田はオリンピック金メダリストだし尊敬はしているが、自分には彼にはないキャリアがある。勝つのは自分だ」
村田xエンダムの世界戦 公開軽量
試合前日の19日には都内ホテルで、村田諒太選手、アッサン・エンダム選手の公開軽量が行われた。
村田「落ち着いているし、いい状態だと思う。僕はビビリで試合の時になったら”行くぞ、今から仕事だ”と開き直るのですが、今からこんな落ち着いてていいのかな?」
そして試合当日、運命のゴング!!
村田vsエンダムの試合展開
【第1ラウンド】
エンダムが手数で圧倒的に攻めるも村田はガッチリとガードを固めて様子を見ている感じ。
結局、村田が出した目立ったパンチは終盤の1発のみ。
【第2、第3ラウンド】
全体的にエンダムが手数で圧倒するも村田のガードに阻まれダメージは与えられず。
対する村田はガードを固めて徹底したカウンターKO狙い。
時折見せる村田の大砲のようなパンチが出る度に観客が沸くという展開。
【第4ラウンド】
ここにきて、ようやく村田の強烈な右のカウンターがヒット!!
エンダムがダウン!!
何とか立ち上がるも、ゴングに救われる。
【第5~12ラウンド】
ずっと同じ展開だったので省略します(笑)
第4ラウンドでダウンを喫したエンダムでしたが、その後も全く手数が減りません。
ダメージや打ち疲れもあるはずなのにインターバルの度に奇跡的な回復力で向かってきます。
ここからは、村田が終始ガード姿勢のまま前に出てエンダムをロープ際に追い詰めるという展開。
しかしエンダムは手数と足を使って村田の周りをくるくると上手く回避します。
結局、村田はスタミナ切れで足元がふらつくエンダムを捉えることができないまま最終ラウンドへ。
【第12ラウンド】
最終ラウンド。村田は積極的に前に出てパンチをヒットさせダメージを与えます。
防戦一方のエンダムは村田の攻撃でダウンしそうになるとロープに寄りかかり、時間を削るためのクリンチ(村田に抱きつく)を使って凌ぎます。
そして試合終了のゴング。
勝敗は3人のジャッジによる判定となりました…
村田は顔にあざはあるものの、身体的なダメージは少なく体力も十分残っているようでしたし、エンダムは疲労困憊で虫の息といった感じでした。
一般的に誰が見ても第4ラウンドでダウンを奪い、第5ラウンドからずっとエンダムを圧倒して前に出ていた村田の勝利を確信していたことでしょう。
村田xエンダム戦 判定の結果…
「117-110 青、村田諒太!」
当然のように村田ガッツポーズです。
「116-111 赤、エンダム!」
村田がまさか?という表情。
まあ、2-1でも勝ちは勝ちですので問題ないでしょう…(と思ってましたw)
「115-112 赤、エンダム!!」
エンダムは歓喜のガッツポーズ!
村田は信じられないといった表情…。
会場は驚きと怒りでの大ブーイングで騒然となった。
試合後の村田のコメント
「判定を聞く瞬間に正直、胸騒ぎみたいなものはした。五輪の時は何となく勝ったんだなという感じはしていた。“勝ったよ”と手を挙げていたが、ちょっと変な予感はしていた。もっと打てるシーンがあってもよかった。もう1、2回ダウンを取れば勝てる試合だった。(今後については)負けたらもう1回頑張ると簡単に言えるかというと、正直そんな簡単な日々を歩んできたつもりはない。気持ちの整理が必要…。」
試合後のエンダムのコメント
「村田より私の方がパンチが当たっていたので、勝ったと思った。しかし、敵地であることを考えれば勝利の確信までは持っていなかった。彼はまだ若く、未来がある。将来は世界チャンピンになるだろう。」
帝拳ジム会長のコメント「村田が勝っていた!相手は手数というよりも逃げていただけ。負けは絶対にない!いろいろな見方があるとはいえ、ひどすぎる!!こういう判定ではボクシングの信用がなくなってしまう!(再戦については)集大成のつもりで4年間かけてやってきたから、簡単に再戦なんて言えない。次はもうないですよ!」
竹原慎二のコメント「これは勝ちでしょ!? まさか負けるとは…。(敗因について)手数が少なすぎた。何があるか分からないのが世界戦。最後まで倒す気持ちでいってほしかった。」
WBA会長のツイッター「私は公正な採点が下すことができないスポーツに怒りと不満を覚える。私の採点では村田が117―110で勝っていた。村田諒太と帝拳プロモーション、日本のボクシングファンにお詫びしたい。ひどい判定がもたらすダメージをどう回復させたらいいか、言葉が見つからない。私はチャンピオンシップ委員会に再戦を要求する。」
この判定には仕組まれた試合だとか、エンダム側が審判を買収したとかwいろいろ言われていますが、一夜明けていろいろな角度で見てみると納得せざるを得ないポイントが多々あります。
まず第一に村田は終始ガードに徹して攻撃に消極的で、エンダムの方が圧倒的に手数が多かったのが一番の要因です。
ダウンやクリーンヒットといった決定的な有効打の場面がない限り、審判は手数の多い方にポイントをつけることがあります。
村田はこれまでガードを固めつつ前進して相手選手にプレッシャーを与え、カウンターで仕留めるというスタイルを得意としていました。
それが今回の相手エンダムには、通用しなかったんですね。
あともうひと押しで倒せる…といった展開が何度かあったにもかかわらず、エンダムはロープやクリンチを巧みに使ってギリギリのところでダウンを上手く回避していました。
まるでエンダムは、伝説のボクサー モハメド・アリのようにリングを蝶のように舞いつづけ(蜂のようには刺せませんでしたがw)村田を手数で圧倒してラウンド採点をもコントロールしていったのです(笑)
カウンター狙いである村田のボクシングスタイルは絶対KOが勝利条件であって、仕留めそこなえば判定負けのリスクを背負う両刃の剣でもあるのです!
それに引き換え、エンダム側は村田のボクシングスタイルをよく研究していたのでしょうね。
村田のセコンドも、エンダムの作戦にはさすがに途中から気付いてたと思うけど、そのまま続行させたのは村田を信じていたからでしょうか?(セコンドもプロ転向後から無敗だとアドバイスしづらいかもしれませんw)
そんなわけで、あながち判定に文句も言えないと思うのが自分の見解です。
この試合が始まる前、自分はてっきり「村田諒太の壮絶KO負けか判定負け」だと思っていたんですけど(すいませんw)試合観たらめっちゃ有利に押していたので「これ完全に村田の勝ちだろ!」と思っていました。
なのでこの判定にはリアルタイムで「なんでやねん!八百長やないか!!」と叫んでしまいました(笑)
それほどまでに村田は強かったんです!!
次こそは絶対に世界タイトルです!
頑張れ村田諒太!!\(^o^)/
そして今夜は・・・
井上尚弥&八重樫東 ダブル世界戦~ボクシングフェス2017 SUPER 2DAYS(2日目)東京・有明コロシアム
5月21日(日) 19:00~20:54放送です!
皆さんお見逃しなく!!